2023【AJCC】出走予定馬の考察

【AJCC】出走予定馬の考察
ガイアフォース
この馬が注目されたのは、国東特別(1勝 小倉芝2000m)での走り。小倉のレコードタイムとなる1:56.8で7馬身差の圧勝。前後半5Fのレースラップは58.0-58.8。淀みの無い流れの中、2番手で競馬。4角先頭で押し切った。確かに強い。
しかし勝ち時計を過大評価しないほうがいい。その日は2Rの3歳未勝利戦(小倉芝1800m)でさえ勝ちタイム1:46.7。そしてメインレースはあのGⅢCBC賞。テイエムスパーダ&今村聖奈騎手が1:05.8のレコードで完勝。そういう馬場状態だったのだ。
しかしGⅡセントライト記念でアスクビクターモアを倒したのも事実。1勝クラス勝ちからのGⅡ制覇は立派だ。ただし、アスクビクターモアをすぐ後ろから見る形でのレース。競馬しやすかった。むしろ受けて立ったアスクビクターモアの強さが光る。
菊花賞は前半少し掛かっていたのかな。そもそもこの馬、馬群の中で競馬したことがほぼ無かったから、その影響もあったのかも。いずれにせよラスト200mを待たずに止まった。距離が長かったようだ。
今回はセントライト記念と同じ舞台。当然期待されるが、過剰評価に注意が必要。相手関係、枠、ペース(流れたほうが良さそう)等を踏まえて、冷静に判断したい。
エピファニー
4連勝でOP入り。大注目の上がり馬・・・ただ、未勝利戦こそ16頭立てだったが、その後の3勝は7頭、9頭、10頭立て。4戦とも芝1800m。前後半4Fのレースラップは49.6-47.7、48.3-46.2、49.1-46.7、48.2-45.3といずれもスロー。
3勝クラスで連勝がストップする馬も多いので、4連勝には価値があるし、能力の高さは疑いようもない。ただ、今回は中山芝2200mのGⅡ。直結するだろうか?
速い流れのレース経験がないのは気になる。しかし4連勝ともスロー戦だったということは、距離が伸びても問題ない?じつはこの馬、東京では前半いつも掛かり気味。今回は中山だから大丈夫と取るか、折り合い不安と取るか・・・
血統をほぼ気にしない私だが、父がエピファネイア、母父がディープインパクト。芝2200mは距離が長いとは言わさない血統??とにかく今回は試金石。大注目だが、本命にはしづらいなぁ・・・
ユーバーレーベン
この馬の評価が難しいね。最近は今一歩だが、牝馬ながら使っているレースは超一流馬のそれ。また、おそらくキレる馬じゃないから、スロー戦は得意じゃないだろう。しかし最近は、流れが向かんね。
GⅠ天皇賞秋(東京芝2000m)のレースラップは57.4-60.1。これだけ見たらハイペースだが、番手以降の馬は60.0-57.5ぐらいのスローな競馬、すなわちパンサラッサとその他の馬は全く別々の競馬をしていた。パンサラッサの上がり3F36.8に対して、イクイノックスの上がり3Fは32.7。
だからユーバーレーベンが33.3の脚を使っても差せないわけだ。続くGⅠジャパンC(東京芝2400m)もレースラップ前後半5Fは61.1-58.0。残念ながらスロー。早めに動いたが、最後は止まった。
今回のメンツなら通用するんじゃないかとか、レースが流れればいい競馬しそうとか、期待はしている。しかしこの馬も軸にはしづらいなぁ。
ノースブリッジ
先ほど触れた天皇賞秋で、あのレアな展開を作り出した要因?がこの馬&岩田騎手だ。出していってパンサラッサに並びかけ、抑えて内に切れ込みマリアエレーナの邪魔をしたのだからお行儀が悪い??
それはともかく、この馬の5勝はすべて、逃げか実質逃げ(離れた3番手)。なんだかんだで、そういう馬なんだろう。今回はバビットやシャムロックヒルを行かせて離れた3番手狙い?それともハナを叩く?毎日王冠だけ見ると、差し競馬もできそうだが。
距離はどうだろうね。3歳時のGⅢ青葉賞(東京芝2400m)はまあまあのペースで逃げてラスト300mで止まった。GⅡセントライト記念(中山芝2200m)は最後はインコースで追えなくて止まった。距離はギリ持つかもしれんね。スムーズに競馬できれば怖い。
バビット
GⅢラジオNIKKEI賞(福島芝1800m)をやや速いぐらいのペースで逃げ切り、GⅡセントライト記念(中山芝2200m)ではスローペースも、後半からピッチを上げる逃げで1着。要は3歳重賞を連勝した逸材。両レースとも後ろの馬が根負けしたイメージ。強い。
前々走のGⅡオールカマー(中山芝2200m)は1年7か月ぶりのレースだったが、見せ場タップリの4着。ラスト100mまであわや、という感じだった。レースラップは61.1-59.5。前半はそこそこ、後半で少しラップを上げた。中山芝2200mではこういう競馬をすると強いのかな。
前走GⅠ天皇賞秋(東京芝2000m)は最下位の15着。最後は止まったが、それでも自身の上がり3Fは34.6で、1着馬から1.2秒差。高速馬場、速い上がりが必要だったレース。適性の部分も大きかっただろう。
ラジオNIKKEI賞が異常に強く見えたので、芝1600~2000mぐらいの競馬を見てみたい気もするが、今回も結果を出している舞台。1年7か月ぶりであのレースができたのだから、再度スンナリ自分の競馬ができれば最後まで持つ可能性も十分。
エヒト
54kgの軽量だったとはいえ、3走前のGⅢ七夕賞(福島芝2000m)1着は快勝。勝負所での手ごたえ抜群で、最後の直線入り口で先頭に立ち、直線前半で勝負を決めた。前後半5Fのレースラップは58.5-59.3。やや速いぐらいのペース。
一方で前々走のGⅢ新潟記念(新潟芝2000m)は1.3秒差の10着。前後半5Fのレースラップは60.5-58.4のスロー。自身の上がり3Fは34.3だが、勝ち馬カラテは33.3、2着ユーキャンスマイルは33.0。ハンデ57kgどうこうよりも、こういう競馬は合わないんだろう。
そして前走のGⅢチャレンジC(阪神芝2000m)は8番人気ながら0.3秒差の3着。前後半5Fのレースラップは57.7-59.8、ハイペース。こういう競馬は合うんだろうね。
昨年もこのレースに出走して0.7秒差の9着だったが、ややスローで勝負所で置かれる形になり、直線盛り返すも進路がなくなった。着差や着順の印象とは異なり、なんだかもったいないレースだった。流れてスムーズな競馬ならチャンスあり!
スタッドリー
前走オリオンS(3勝 阪神芝2200m)を勝った。ここまで16戦して 4 4 4 4 という堅実派。近走を見ても、とても競馬が上手で、勝負所でスッと上がって早め先頭の横綱相撲もできるのだが、最後少し甘くなるのかな。取りこぼしも多い。
前走の坂井騎手はその辺りも考慮しながら乗っているようにも見える。勝負所で位置を上げすぎず、直線に入って全力追い、みたいな。結果はムジカに2馬身半差の完勝。これだろうね。
引き続き坂井騎手が乗るし、こういうポテンシャル系の馬は昇級しても通用しやすいイメージ。流れが速くなったとしてもウェルカムだろうし。中山は初めてだが、タイプ的には向きそう。押さえておきたい1頭。
アリストテレス
3年前の菊花賞2着馬で、一昨年のこのレースの勝ち馬。実績は十分だが、2022年は3走してGⅡ目黒記念(東京芝2500m)1.1秒差の15着、GⅡ京都大賞典(阪神芝2500m)1.3秒差の11着、GⅠ有馬記念(中山芝2500m)2.5秒差の14着。
前走の有馬記念は掛かっていたので距離短縮はいいんだろうが・・・そういう問題じゃないような。混戦模様とは言え、好勝負できる気がしない。明けて6歳、まだやれてもおかしくないはずだが・・・
ラーゴム
芝ではGⅢきさらぎ賞(中京芝2000m)を勝ち、ダートではGⅡ浦和記念(浦和ダ2000m)2着など、芝ダートともに重賞での好走歴がある。が、甘い馬でなかなか勝ちきれない・・・
ダートでも芝でも行き脚はそんなにないので、中団から。勝負所で追って追って勝負!!前走が久々の芝のレース、GⅢ中山金杯(中山芝2000m)で58kg背負って0.3秒差の9着。全然勝てる気はしなかったが、僅差は僅差。キレないがずっと脚は使っていた。
過去のレースを見て決定的な特徴があるとは言わんが、この手のタイプは、ハイペースの競馬で勝負所からマクる形がいいだろうね。スローペースだと勝負所から速くなるのでキツイ。ハマれば通用してもおかしくないと思うけどなあ・・・
ブラックマジック
2年前に迎春S(3勝 中山芝2200m)を勝ち、その後5戦、ハンデ戦を中心に、勝ち馬から0.5秒前後、掲示板に載るか載らないかぐらいの競馬が続いている馬。途中、1年のブランクがある。
その迎春Sは好位から。少し行きっぷりがいいのかな、と思ってみていたら途中からハナへ。結局そのまま押し切った。2着はウインキートス、3着デゼルと相手は揃っていたが、前後半5Fのレースラップは65.6-58.7というスーパースロー戦だった。
長期休み明けの前々走LRカシオペアS(阪神芝1800m)0.4秒差7着、前走LRアンドロメダS(阪神芝2000m H54kg)0.7秒差6着も、悪くない競馬。キレないが最後まで止まっていない。行きっぷりもいいので流れて一考。
レインカルナティオ
3走前のムーンライトH(中京芝2200m)でトップハンデ56kgを背負いながら力強く抜け出して完勝。しかし、2走前のGⅡアルゼンチン共和国杯(東京芝2500m H54kg)は1.0秒差の11着、前走のGⅢ中山金杯(中山芝2000m)は0.7秒差の12着。
脚はある程度使っているが、流れ込みに近い。金杯は直線で不利があったが、脚があればそもそも不利は受けなかっただろう。アピールポイントがないというか・・・様子見。
シャムロックヒル
できれば逃げたいが、番手でも競馬できる馬。近走は、この馬がハナか、それともロザムールがハナか、みたいなレースも多かった。直線でも粘っこい脚を使って踏んばるタイプ。
4走前、昨年の金杯(中山芝2000m H52kg)は0.5秒差の9着だったものの、あわやというレース。この馬らしい、いい競馬だった。その後もがんばっているのだが、段々と最後の直線の粘り気が減ってきているような・・・ここは静観。
レッドガラン
昨年、7歳にして重賞を2勝した強者。5月に新潟大賞典(新潟芝2000m H57.5kg)を勝って以降は、札幌記念、京都大賞典、天皇賞秋、チャンピオンズC、東京大賞典と、GⅡ→GⅠで奮闘。結果は出ていないが、相手が強かったからね。
明けて8歳。今回はは近走に比べれば相手が軽くなったが、どう評価したものか・・・距離はギリギリじゃないか。1年前の実力を発揮すればチャンスはあるだろうが。手が回れば押さえたい存在。
オウケンムーン
レッドガランと同じ8歳馬。ただし1年ぶりのレースだし、そもそも1年前の段階でも手が出しづらい・・・まずは無事にレースしてほしいね。